ミシュニャンガイド

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ミシュニャンガイド うどん㉝ きしめん 本当に心が震える美味しいきしめん店発見!

2019/9/27

 食べログ名古屋市東部、うどんと検索を入れると1位にランキングされる店を訪問して来ました。果たして食べログは信頼出来るのか?皆さんと一緒に真実を確かめてみましょう。

 

 本日は標的の店に開店同時テロを断行することにしていたのでその準備を進めていた。しかし急に髪を切りたくなり、髪切り屋に9時45分に予約を入れ8時30分に家を出た。このスケジュールならうまくいけば開店強襲は可能だろう。朝のラッシュはまだ続いており渋滞に辟易しながら髪切り店に到着した。

 この店の方たちは揃いもそろって食道楽である。行くといつも食い物の話になる。今回も髪を切っている間店の人とあれこれ話をしているうちに、金山で名古屋コーチン手羽先の激うまを食ってきたという自慢話になった。こゆきはコーチン手羽先のうまさを力説した。店の人も裏山っぽく聞いていたが、反対に「サガミの手羽先がうまいらしい」という未確認情報で反撃してきた。

 「サガミ」とは東海地方で猛威を振るう高かろう不味かろうの麺類和食チェーン店である。こゆきは以前随分とお世話になったものだ。深夜までやっているので居酒屋代わりによく訪れた。ただ何を食っても不味いので段々足が遠のいていった。

 そのサガミの手羽先がうまいとは聞き捨てならん!何度も店の人に確認したが「何人かの客からそう聞いている」とのことだった。髪切り店は情報の宝庫だからよもや放置するわけにもいかない。

 せっかく計画していた標的を諦めて、サガミに突撃しようかとさえ考えた。しかしうまいきしめんを食いたい気持ちの方が優り当初の計画通りことを進めることにした。標的の店の名を「鈴屋」という。名東区にある。ちょうど髪切り屋からの帰り道に通る高針というところに点在している。

 11時10分くらいに髪切り屋を出発し鈴屋を目指した。ナビの到着予想時間は11時35分となっていた。開店は11時30分である。しかし道中相変わらず渋滞だらけで、はやる気持ちを抑えるのに苦労した。途中所々で法定速度を超えて走っていたことは内緒である。

 ナビの到着予想時間はどんどん遅くなるし、気持ちはどんどん焦るしヤバいことになったもんだ。平日なのでまさかとは思うが行列の出来る店なので少しでも早く到着したい!なのにこゆきのバカナビはわざわざ遠回りを案内しているし、液晶画面ねこパンチ喰らわしてやりたい。何とか11時35分ごろ到着。

 店に入るとすでにじいさんばあさんたちが10人ほどいた。推定生存年数80年と思わしき店員の老婆が1番奥のカウンターを指定してきたので無事に着席出来た。着席と同時にカウンター内の調理場から「いらっしゃい!」の気持ちいい掛け声が響いた。料理人は3人ほど。客に応対するのは80の化石老婆1人のようだ。

 老婆はこゆきが着席しても中々注文を取りに来なかった。足も悪そうだし息切れして呼びつけるのもためらわれる。自分の席から大きな声でハッキリゆっくりと「きしめん、天ぷら盛り合わせ」と老婆に注文を伝えた。耳はシッカリ聞こえているようで厨房へオーダーを通してくれた。

 少々時間が掛かったが20分ほどでまずは天盛りが出来上がった。しかし老婆は運ぶのに四苦八苦しているのでこゆきの方から立ち上がって受け取りに行った。その後すぐきしめんも出来上がったがこれまた老婆は運ぶのに困っていたので自分から受け取りに行った。

 このやり取りを見ていた大将と思わしき人物はいたく感動したようで気持ちのいい声で「ありがとうございます!」と言ってくれた。多分老婆は大将の大事な母親なのだろう。

 ではまず天盛りから紹介しよう。

実にうまそうなのである。通常うどん屋のてんぷらは根菜が2、3種類混ざっているが(こゆき的にはボリューム嵩上げのためと思っている)根菜はカボチャの薄いもののみ。前にも書いたが根菜はあまり好みではない。特にカボチャやサツマイモのてんぷら、レンコンや里芋のてんぷらは好きなんだけど何でこうなるんだろう。甘いからかな。器には他にとても大好きな大葉、しし唐、なす、ピーマンが乗っている。1番好きなキノコのてんぷらはシイタケだった。タマラン。そして小ぶりな海老天3本。臭みもないし色んな食べ方試して楽しんだ。どれも手抜きのない本格的な美味しい天ぷらであった。

 次にきしめんだ。汁は色黒。しっかり出汁が効いていそうなビジュアル。見たところ麺はウスウスビロビロのオカモトのコンドーム並。こんなの出されたんじゃたまんない!

 添えられている具材はホウレンソウ、カマボコ、アブラゲ、かつおぶしと至ってシンプルである。ただ非常に残念なことにネギがない。ここだけはかえすがえすも無念である。

 こゆきはネギの狂信的な信者である。納豆にネギが添えられていないとテーブル引っくり返すし、麺類にネギが入ってないと途端に狂暴になってしまうほどネギ好きである。別名ネギスキーというロシア名を持っているほどである。でもさすがに「ネギないの?」とは聞けなかった。

 周りに汁が飛び散るのもお構いなしにすすり上げていた。ズリュリュ~ビチビチ!でもあんまり早くガッツクと火傷しちゃう。器もしるもチンチンだ。どうやったらここまで熱くできるのか聞いてみたい。味噌煮込みレベルの熱さだった。

 それでも心が欲するままに汁をすすった。どんぶりに口を付けてジュルジュル啜るのだ。火傷しそうなほど熱いけど、それを辛抱してでも飲みたくなるほどうまい!麺は見た目通りウスウスで汁とよく絡み合っている。麺を8分ほど食べたところで天盛りのエビを汁に漬す。ついでに天盛りの天かすを汁に投入。モロモロタイムの始まりだ。最後はドンナメして終了。ドンナメとは丼をナメナメするねこ界の必殺技である。人間界では下品と言われるドンナメだがねこ界では最高の敬意を表している。

 てんぷらの衣がもろもろしてきたら食べごろ。うどん食う時のクライマックスと言っていい!天かすが溶けたうどん汁は最強だ!麺も汁もサイコーレベル。天ぷらも文句のつけようがない。ここに新たなるミシュニャンガイド1つ星店の誕生を宣言いたします。堂々の1つ星店。

 料理をたんのうした後支払いをしようと老婆に声を掛けると意外に腰がのびてしっかり対応してくれました。なんで???代金は天盛り1,050円。きしめん530円。合計1,560円。なぜだか20円安くなっていた。セット価格?

 帰り際店の建物の外観を撮影しているといきなり大将が外からやって来て「ありがとうございました」とか声を掛けてきた。

なんで外にいるんだろ。ヤニでも吸ってたのか?家が近くにあるのか?何はともあれミシュニャンガイドで星を取ったんだから味に間違いはない。好きな人は行ってみれば、、、投げやり、、、あんま混むとイヤだから