ミシュニャンガイド

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ミシュニャンガイド うどん㊱ 親子味噌煮込みうどん 愛知県で評価1位ということは全国1位ということになる店

2019/10/10

 愛知県内の味噌煮込みうどんの中では恐らく評価1位であろう店を取材しました。味噌煮込みは地方色の濃い地場飯なので、愛知1位=全国1位ではないかと思います。店は赤味噌の本場岡崎にあります。少々遠いですがこの店で食べてこそ味噌煮込みの神髄が理解出来ると思い苦労して訪ねてきました。

 

 車で行くか電車で行くかヒジョーに悩んだ挙句、どうしてもビールを呑みたかったので電車で行くことにした。駅までの往復時間や電車乗車時間、店での滞在時間を考えると予想所用時間は約4時間という大旅行となる。店はJR岡崎駅で降りて徒歩30分という何とも微妙な距離のところにある。店の名を「二橋」という。

 お昼は行列が予想されたので13時を大きく回ったころに店に到着するよう、岡崎駅からはゆっくり景色を楽しみながら歩いた。岡崎の町を歩くのは初めてである。

 13時半前に店に到着した。丁度よい頃合いだ。駐車場はボツボツ空きがあるので店内も待たずに入れるだろうと思われた。店に入って見渡すとカウンターは誰もおらず、4卓あるテーブル席は3卓埋まっていた。これなら楽勝である。こゆきの読みが的中したといっていい。

 大将と思われる40歳前後の人物に席に座っていいか尋ねると小さくうなずいた。あまり気分のいい対応ではなかった。

 端の席に座り気を取り直してメニューをじっくり眺めた。すでに心の中では「親子味噌煮込みうどん、1口田楽盛り合わせ、ひとくちご飯、ビール」と決めていたが、メニューに1口田楽がない。仕方ないので「もちふ」と「こんにゃく」田楽を頼んだ。味噌煮込みはすべてにタマゴが入っているようだ。外したいところだが郷に入っては郷に従わねばなるまい。親子だけでは寂しいので茸をプラスしてもらった。ビールはエビスである。エビスはナイス!スーパードライなんか出して来たらゲロってやろうかと思うほどだ!

 5分ほどでまずはエビっさんがやって来た。

グラスは薄手の陶器でよく冷えている。なんだか大将のこだわりを感じる。田楽が到着する前に早速ゴキュった。暑い中を汗をかいて歩いてきたのでウメエ―!田楽来る前に1本開けちゃった。当然2本目を追加注文した。

 最初のビールが来て10分後くらいに田楽を持って来てくれた。

いつものことながら写真を撮る前にパクってしまった。汚い写真で許してほしい。更には田楽の他に枝豆と柿が乗っていた。田楽のタレは恐らく八丁味噌を使ったものと思われる。結構甘口である。

 うどんが来る前にこれらを肴にビールを飲み干そうと考えていたが、五分後にはうどんが到着した。

大急ぎで田楽を食べ切った。2本目のビールはまだ残っていたので味噌煮込みの具材を肴に呑み干した。うどんは汁少な目、具材はタマゴ、鶏肉、エノキ、シイタケ、マイタケ、アブラゲ、さやいんげん、水菜?だった。大好きなキノコの量が豊富で、ネギの入っていないのが不満ではあるが大変満足のいく内容であった。

 まずは1位の汁はどんな味がするのかズズッと行ってみた。味噌煮込みを食べたことがある人ならわかると思うが、通常味噌の味が先走ってあまり出汁は香らない。ところがここのはまずきちんと出汁が香ってくる。その後に味噌がひろがる。うまい!汁を出し惜しみするだけのことはある。やたらと濃厚味噌味で勝負してくる店もあるが、ここのは程よい味噌加減で全体のバランスがとても良い。

 麺は口コミでは柔らかいとあったが、しっかりもちもちで味噌煮込み風の麺に仕上がっている。大変満足のいくものだった。キュッと噛みしめるとわずかに粉っぽい歯触りを残して切れる絶妙な代物だ。

 更に特筆すべきはテーブルには調味料類は一切置いてない。うどんと一緒に出されるのが「一味、七味、山椒」である。それぞれが小さな袋に入って提供される。一応それらの写真も撮ったので載せておく

 多分それぞれ有名どころの一品なのかな?小皿に取り分けたうどん1杯1杯にフリフリしていろいろ楽しんでみた。山椒を掛けるのは初めてだったがこれが結構いける!味噌アンド山椒は相性いいのかも。

 ただ残念だったのは前の客が使わなかったこれらの香辛料を次の客に出している点だ。見たわけではないが、袋のくたびれ具合を見ると分かってしまう。すべてを全ての客に出すのではなく申告制にしておけばよいのになあと思う。好きな人は好きなものを「あ、わて京都の一味ちょうだい」って感じで。封を開けていないとはいえ他の奴が触ったものを口に入れたくない。

 この店の味噌煮込みは味噌に様々な種類がある。今回こゆきが食べたのは一般的な赤味噌の煮込みであったが、他に八丁味噌、白みそ等選べるようになっている。まあ愛知県人なら赤味噌一択だと思うが人それぞれだ。中には塩煮込みなんてのもある。味噌入ってないんだろうか?

 今回注文するにあたって八丁味噌にするか普通の赤味噌にするかとても悩んだ。値段が500円位違うし、初めての訪問なのでノーマルにしたが八丁さんがとても気になる。次回は早い時期の再訪となるかも知れない。

 最初あまりいい印象を持てなかった大将だが、じっと観察しているとこゆきだけに愛想が悪いのではなく、実にシャイな人物だということが判明してきた。どの客に対してもきちんと感謝の言葉を述べているがとても声が小さい。だから聞こえていないし、人によっては「ありがとう」も言えないうんこと思ってしまう。ところが実はきちんと謝礼を述べている。じつに惜しい!

 ヨメは非常に人当たりよく如才なく対応するが、こちらの方が要注意人物だとこゆきは見ている。どこか高慢ちきな部分が感じられる。特に店滞在中にやって来た業者に対しては、多忙なのは分かるが対応が悪いように思われた。無論こゆきに向かってそんなそぶりを見せたわけじゃないので断言はしない。もしかすると思い過ごしかも知れない。

 今回茸追加の親子味噌煮込みうどん1,650円。ひとくちごはん200円。ビール2本1,300円。田楽2本400円。合計3,550円。毎日毎日贅沢三昧!破産しちゃうよ!

 この店いろいろ欠点も見受けられるが、味、雰囲気は最高レベルだし、料理に対する執念のようなものを感じられるのでミシュニャンガイド1つ星店に認定いたします。「鈴家」に続いて認定店続出中だね。大将がんばって!また遠いとこ行くからね