ミシュニャンガイド

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ミシュニャンガイド 中華⑬ 陳麻婆豆腐と青菜炒め等 中華店初の星認定店誕生!

2019/11/17

 昨日書いたことを忘れたわけではありません。食べ歩きは当分謹慎するつもりでした。しかしミシュニャンのことが頭から離れない。悲しい性というんですかね。ネットで隠れた名店ともいうべき店を見つけてしまい、気付いたら超特急で突進してました。

 

 名古屋市南区の住宅街にひっそり佇む中華料理店「四川みなみ」。食べログでの評価点は3.24だそうだ。口コミもほとんどなく世間から忘れ去られた存在となっている。しかし少ない口コミを読んでみるとかなり評判はいい。点数と評判が反比例している。

 口コミに曰く「大将は有名ホテルの中華店出身」とのことである。ここで鬼太郎の妖怪アンテナが反応した。ピピピッ!こりゃもしかすると大化けするぞ!昨日の自戒もどこかへ吹き飛び、早速店へ向かったそうだ。愚か過ぎて言葉が出てこない。

 13時到着。日曜のこの時間だとまだ客が一杯いるんじゃねえか?という警戒をよそに、店へ入るとだ~れもいない。ねこすらいなかった。

店内の内装は凝っており、非常にきれいに整頓されていた。客席にいた店のおばさんに来店を告げ席に腰掛けた。座席はテーブルが5卓ほどと座敷席2卓。2階にも客席がありそうな雰囲気であった。

 おばさんを呼んで注文を入れた。「青菜炒め、陳麻婆豆腐、五目バリソバ、瓶ビール」を頼み、もう1度メニューを仔細に眺めていた。ナスと挽肉やチャーハンも気になったが、そんなに食べられないので今回は涙を呑んだ。

 オーダーが通ると直ぐ厨房でフライパンをガシャガシャ動かす音が聞こえてきた。非常に手際が良さそうだ。10分も掛らずまずは青菜とビールが登場。

間髪を置かず陳麻婆豆腐がやって来た。

 まずはビールで口を湿らし、青菜から食べてみた。薄味でにんにくもそれほど使っていないようだが、細かい挽肉のようなものが入っている。食感も肉のようだったが良く味わってみるとエビだと分かった。干しエビを使っているんだ。このエビがとてもいい味を出している。ここまでこった青菜炒めは初めてお目にかかった。

 どこの店もニンニクと塩で味と香りを出し、サッと炒めておしまいというのが定番だが、この店は当たり前のように本格的な味付けを施している。高得点である。

 青菜が無くなった後もエビを一つ一つ摘まんでは口に入れた。それほどうまいのだ。残すなんて考えられない。ごはんがあったら上から汁ごとぶっ掛けていたところである。

 次にマーボ。料理名の最初に付く「陳」とはいったいどんな意味なのか分からないが、他の店でも付いているところがあるので、何か意味があるんだろう。写真でもわかる通り色が赤黒い。今までの経験から赤黒いマーボにまずいものはない。腹黒い人間はこれほど食えないものはないが、マーボは赤黒いに限る!

 ズリュリと食べてみるとかなり辛い。塩味ばかりや唐辛子だけでなく、複雑な辛さが絡み合った辛さだ。当然山椒もタップリである。豆腐挽肉の配分も最高だ。口の中を気持ちよく通過していく。とろみ加減がいいのでのど越しがとてもいい。量はかなり多かったがうまいので気にならない。まずいものを大量に食べるのとは正反対だ。

 青菜、マーボ、ビールでゴキュリ、これを繰り返す。至福の時間だった。青菜とマーボを食べ終えるのと同時にビールを飲み干した。そしていよいよ五目バリソバである。

 おばさんに目配せするとものの5分で持って来てくれた。

あんと絡み合って少ししんなりした部分から食べてみた。これまた上品な味付けである。くどさはみじんもない。少々とろみが強すぎるが、カタクリ臭いところはなかった。うまくカタクリを溶かし切っているんだろう。こんなところにも丁寧な仕事がうかがえる。

 麺は一般的な皿うどんより細目で太さにムラがある。中華のバリソバは初めて食べるのでこんなものなのだろうか。でも細麺好きにはうれしい。野菜類の他に豚肉、エビ、イカが少し入っているが、エビやイカは冷凍臭ささは全くなかった。リンガーなんかだと冷凍臭いからねー。

 全体的に薄味ではあるが、しっかり五目から出汁が出ていて物足りないこともなかった。あまり上手く表現出来ないが、薄味の極意を見たという感じである。

 あれこれ飲み食いし30分ほどで楽しいお食事の終了となった。食事をしている間も来客はなかった。これだけの味が出せる中華屋さんは滅多にないと思う。なんでみんな来ないんだろう?

 ここへ来ずしてしょうもない王将とかフードコートに並んでる。味覚障害なのか?まあ、そのおかげでこんなに素晴らしい店でゆ~っくりくつろいで食事出来る幸せを体験出来た。またすぐ来るで~~~!!!謹慎生活はやめじゃ!

 この店中華店初の1つ星店に認定いたします。みなさんも気になったら行ってみたら。でも混雑はイヤだから月一しか許可はあげない。

 本日の明細は「青菜630円、陳マ1,080円、バリソバ750円、ビール680円、合計3,140円」。うまいけど破産しちゃうね!