ミシュニャンガイド

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ミシュニャンガイド 洋食⑩ 広島産カキフライ定食6個 大戸屋が身売りされるらしい

2019/12/2

 前回「炭火焼さんま定食」を食べていたく感心したチェーン店の大戸屋に行ってきました。なんでも大戸屋コロワイドに買収されるかも知れないということで、そんな事態になる前に元来の大戸屋の味を記憶に留めておきたかったのです。

 

 今回は「カキフライ定食」である。チェーン店なので過度な期待は禁物だが、大戸屋ならやってくれるかもしれない。大好きなカキフライだし、大外れはないだろう。

 店に着いて車の中で待機していると、案の定ゾンビたちが群れを成して集まって来た。こんなところに行列作るんじゃねえよ!こゆきも負けじと営業開始と同時に突入だ!

 着席してものの数秒でピンポーンを響かせた。1番である。「カキフライ定食6個、五穀ごはんトロロ乗せ大盛り」を注文した。20分ほどでやって来た。店内調理しているから時間の掛かるのは仕方ない。待っている間ゾンビや子連れ狼たちが次から次へとやって来てほぼ満席になってしまった。恐るべし!

 田舎娘っぽいチョイブスのねえちゃんが定食をイソイソ運んできてくれた。このねえちゃん愛想良い。カキちゃんたちのお姿はというと

更にカキちゃんアップ!

他のものも晒しておこう。

盛りだくさんである。ごはんも大盛りにしたのでどんぶりで出てきた。

 早速レモンを絞って他は何もつけずカキを頬張った。中からカキエキスがジョワっとしみ出てくる。うまい!少しカキ特有の臭みがあったことはご愛嬌ということで、と許せるくらいのレベルだった。添え物のキャベツもタップリだ。

 ここで特筆しておきたいのは「タルタルソース」のことである。これがチェーン店の域を超えてうまかった。丁寧につくられている。ピクルスやゆで卵がたくさん入ってて酸味もしっかり効いている。もう少し塩っ気が欲しかったがこれでも十分満足出来るレベルだった。これだけのタルタル出すとこって普段使いのメシ屋にはない。しっかりドップリ最後の一滴までカキにこすり付けて堪能した。

 五穀ごはんはトロロを乗せたので体の滋養にいいんだろうな~と考えつつ食べた。脂っこいものとの相性はいい。味噌汁の具材はワカメのみ。この手のチェーン店なら仕方がない。しかしワカメの量が結構多かった。この辺の他の店との差別化はうれしいねえ。

 15分くらいで楽しいお食事完了となった。店内はそろそろ待ち客が出そうなほどの混雑であった。こゆきのテーブルの横に待合席があって、食事中そこへジジイゾンビが1匹やって来て座ってやがったが、空きを待っている風でもなく、店員を呼ぶでもなく、何してやがんだろう?って感じだった。はっきり言って目障りだ!

 レジへ行って代金1,310円を払った。余は満足である。食事を終えてふと頭によぎったのは、大戸屋の今後についてである。

 現在大戸屋は内紛を抱えていることが週刊誌などで取りざたされている。現社長と創業者1族の争いである。現社長の方針に不満を持つ創業家1族が所有する株をコロワイドに売却したという。そしてコロワイド側は大戸屋を完全買収することを目論んでいるそうである。

 一体どちらが正義で何が真実なのかが外野からは分からないが、大戸屋のこの馬鹿正直な店内調理という部分にはとことんこだわって、いつまでも残して行ってもらいたい。

 聞くところによるとコロワイドはセントラルキッチンなるものを導入して、経費を落とすことを得意としているらしい。これを大戸屋に持ち込まれたらすべてが台無しだ。大戸屋の持ち味が無くなってしまう。もし今後コロワイドに完全買収されたら、こゆきは大戸屋には足を向けたくない!そのくらいの気持ちである。こゆきが大戸屋の株を買い占めてコロワイドの魔の手から救ってあげたい気持ちで一杯だ。

 ただここで問題なのは現社長はどういう方針を持っているのかということだ。この社長、創業者の意に反し、食材の自社生産を廃止したり、メニューを大幅に変更したりしているらしい。それが気に入らない創業者の一族の反旗がコロワイドへの株売却につながったそうだ。こうしてみるとどちらに転んでも大戸屋の将来は暗いと言えるのかも知れない。

 次にいつ来るか分からないが、その時コロワイドに経営が変わっていないことを望む。そして現社長に創業者の意思を継いでくれることを強く望む。まだたった2回しか大戸屋へ来ていないがそれが大戸屋の将来へつながる道であると確信している。

 以上経済評論家のこゆき氏の論評でした。