ミシュニャンガイド

みんなの為ではなく自分の為のグルメガイドブック

ミシュニャンガイド ラーメン⑱ 鴨はちラーメン鴨まし 味はよろしいが客が卑屈になる理由がわからない店

2019/12/2

 先日「ぶらい」の記事で出てきた「空庵」という店。本日雨が激しく降る中を突撃取材して来ました。この雨の中なら行列もあるまいという下層民にはわからない深謀から産み出された作戦でした。ところが雨の中入口にババア~が3人並んでいました。ほんと嫌になっちゃうね~!

 

 3ババの後へ並んだ。こゆき様を行列に加えるとは不届きな奴。せいぜい旨いものを出すがいい!まずかったらこき下ろすからね。3ババはワクワクとおしゃべりに夢中だ。

 この店玄関前に門があるのだ。門を入って階段を上ると玄関がある。多分元々そういった作りの民家を改造して店を作ったのだろう。この門を入るとなんと!中には更に4人の待ち人が居た。もう帰ろうかと思ったよ。

 11時半オープン!みんなヤレヤレといった感じで店内へなだれ込んだ。席に着くと並んでいた順に注文を取っていく。いろいろ目を引くものがあったが、初回なのでこの店のスタンダードである「鴨はちらーめんと鴨まし」を注文、足りないといけないので「ラムカレーそば」を替え玉として追加した。

 らーめんが出てくるまで20分ほど待った。その間店の雰囲気や店員の対応をしっかり感じ取ることに専念した。店内は絨毯敷きで靴を脱いで上がるタイプ。カウンターは掘りごたつみたいになっている。7人が定員のようだ。他にテーブル席が2卓。店員は大将とそのシモベ1人のみ。

 大将はシモベに結構厳しくあたっていた。大将は独演会のように自分のペースで調理を続けていた。客の出す難題には対応しないよってオーラが出ていた。そのためなぜか店内はシンとしていた。なんかの宗教施設のようだった。みんな何とか大将の機嫌を損ねず旨いものにありつこうという魂胆がヒシヒシ感じられた。

 並んでいた順番に配膳が始まった。3巡目にこゆきのところへらーめんが運ばれてきた。なんとらーめんは穴の開いたお盆に乗せられていた。

この穴に一体どんな意味合いがあるのだろうか?器の位置を動かすなということなのか?でも食べにくそう。続いて鴨ましがやって来た。

 では、ということで汁を飲んでみた。当然しっかり鴨出汁が出ててうまい。今時はやりの濃厚ギトギトとは反対のアッサリしてるけど物足りないわけでもないお吸い物の味。表現が悪いかも知れないが、日本人の心に通じる味とでも言っておこうか。まあとにかく他では味わえないね。それなりに脂も浮かんでいるが鴨のうま脂肪かも知れない。

 上に乗っている具材は油揚げのような車麩のような不思議なものだった。汁をたっぷり含んでうまい!後は鴨肉タップリとゆずのみ。別皿に先付のような小鉢が添えられている。漬物と煮物であった。お盆にカードが差してあり、そこに小鉢の内容について説明が添えられている。非常に変わっている。

 やはり日本料理を標榜しているのだろうか。実のところ店に来るまではネットでこの小鉢の写真を見て、一体どうやって食べるんだろうと疑問に思っていたのだ。大将が小鉢のものはラーメンに乗せずに食べてくれと言っていたので、ラーメンの具材ではないことが判明した。

 麺は柔らかめの細麺で良く汁になじんでいる。追加の鴨ましはし~かり鴨をたんのうさせてくれた。鴨大好き~!

 麺をあらかた食べたところでラムカレーの登場である。

よく混ぜてらーめんの汁を少し掛けて食べろとしもべが教えてくれた。しもべは非常に腰が低く丁寧な接客をしている。恐らく大将から相当厳しく仕込まれているんだろう。少しかわいそうなくらいだ。

 マゼマゼして食べてみるとふんわりラムの香りがしてきて、スパイシーでジャンクな味がした。もう少しラム肉の塊なんかが入っているかと思ったが皆無だった。悪くはないが替え玉としての役割は疑問を感じた。完全に鴨らーめんとは別物のようなので、一層のこと別メニューにしたらいいのになあと思った。

 食べている間も来客は続き、駐車場も満車のようだった。この店行列に並ばず、もっと気軽に食べられる雰囲気なら何度でも来たいと思うが、ちょっとこの店内の雰囲気ではそうそう訪れようという気持ちにはなれない。本格日本料理店風を前面に押し出したいのかも知れないが、らーめんでしょ?って考えてしまう。まあそういうふうに考えてしまう人は行かない方がいいのだろうな。でも間違いなくおいしいらーめんでした。

 代金はらーめん860円、鴨まし540円、ラムカレー430円。合計1,830円。次に訪れようという気持ちにさせてくれるのはいつになるのやら。

 例のごとくリンクが見つからない。名古屋市緑区有松近辺所在。