2020/9/25
最愛のねことの出会いから別れまでをつづりました。別れは突然やって来る!かわいい動物たちとの触れ合いを毎日大切にしましょう!!後悔してもおそい!!!
こゆきは2004年4月にこの世に生を受けた。お母さんはラグドールで家柄正しき出自であった。お父さんはわからない・・・こゆきが産まれた時すでに消息不明であった。お母さんとお父さんの行きずりの恋で生まれたのがこゆきだったのだ。
こゆきのお母さんのご主人はとてもやさしいママさんで、こゆきのことも同じように大切に育ててくれた。こゆきは毎日おだやかな温もりの中で過ごしていた。
そんなある日ママさんが飼っている犬のパピヨンが幼いこゆきの顔面に喰らいついた。こゆきは恐ろしさと痛さでただ佇むだけであった。
そのことを知ったママさんはこゆきとその犬を遠ざけるため、ある対策を考えた。それはこゆきをどこか遠くへやること。誰かにこゆきをわたしてしまうこと。こうしてこゆきは引っ越しをした。
引っ越した先には知らない人がいた。こゆきはこの人に引き取られることになった。この人は最初こゆきのことを全く構ってくれず、珍しいものでも見る様な目をしていた。ママさんはずいぶん強引にこゆきを押し付けたのだろう、そのせいかこの人も戸惑いを隠せないようだった。
こゆきは必死に耐えた。ムリにこびを売ることはせず、なされるがままに時を過ごしていた。すると段々この人の対応が変わって来た。
どこがどうというわけではないのだが、この人の目がやさしくなってきた。パピヨンに喰いつかれたこゆきの傷をいたわりながら撫でてくれた。だからこゆきも心を許し始めた。この人のことをこゆきは新しいママと考えるようにした。
ママの出してくれるご飯は味はともかくこゆきの健康を考えてくれるものだったし、ドイツとかいう遠い国から取り寄せた高価なご飯だった。そしてたまに出てくるマグロの刺身はこゆきの大好物となった。
少し凍っている方がこゆきの好みだった。ママはそれを知ってか、わざと少し凍らせてこゆきに出してくれた。
少しずつこゆきはママが好きになっていった。ママもこゆきを一段とかわいがってくれるようになった。こうしてお互いを信頼し合い、いつしかこゆきはママの側で過ごすのが一番の安らぎとなっていった。
そして冬の冷たい夜はママの布団に入り込むとやさしくこゆきを抱きしめてくれた。でも時々ママは布団の中で泣いていた。そんな時はこゆきがママの体にぴったり寄り添い「悲しまないで、こゆきがいるから」と慰めてあげた。
こうして二人のお互いを支え合う日々が始まった。
つづく
この「こゆき物語」をもし読んでくださる方がいたら、心より感謝いたします。こゆきは2020年9月21日20時過ぎに遠くへ行ってしまいました。感謝と悲しみしかありません。もっとしてあげることがあったのではないか、もっと一緒にあそんであげていたら、と心残りばかりです。こゆきとのあたたかい思い出、悲しい別れを残しておきたくて拙い文章を書いております。遠い記憶を思い起こし続きを書いてまいりますので、よろしかったら今後もお付き合い下さい。
「ミシュニャンガイド」はこれとは別に今後も、永遠に、koyuki-chとして続けるつもりです。どうぞよろしくお願い申し上げます。