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ぶたと言ったら「ぶた いながき」!特上ヒレかつ定食のお味 

2020/11/20

 禁断の「ぶた いながき」に足を踏み入れてしまった。なぜ禁断かというと、もともとこの店を発見したのは会社の男前である。このブログにも以前登場している。

 男前とはお互い抜け駆けなしで一緒に店へ行こうと約束していた。でもコロナの影響でなかなかそういった機会が訪れなかった。

 こゆきちゃんはず~っと考えていた。このままではいつまで経っても極上のトンカツを食べることが出来ない。どうしたらいいのかと、、、

 いながきはとても評判がいい!どうしても早く食べたい。でも約束を破るのはいかがなものかと。しかしコロナの終息は見えず、もはやこれまでと判断した。そう本日隠密極秘取材を試みたのである。

 

 タイトルにもある通り店の名を「ぶた いながき」という。平仮名で非常に素朴なネーミングである。多分大将はいながきという名前なんだろう。

 場所は名古屋市昭和区の桜山というところにある。近くには名古屋市立大学やその附属病院などがあり学生の街でもある。

 ネットで見てみるとその日によって仕入れた銘柄豚を限定で出しているようだ。中でもこゆきの興味を釘付けにしたのは「バークシャー」というブタである。

 バークシャーのブタと言えば昔たしか教科書にも載っていたような、そいつがどうしても食べたかった。鹿児島の黒豚にもそいつの血が流れているとか。

 黒豚命のこゆきには尽きない探求心を刺激するにあまりある。バークシャーバークシャーと唱えつつ店へ向かった。

 

 雨の降る中バスで店から2、3キロ離れた停車場に降りた。もっと近くに地下鉄の駅があるが交通費節約のためだ。それに出来るだけ歩いて歩数を稼ぎたかったからだ。

 バス停で降りたのは10時5分。店の開店は11時半。ここからゆっくり歩いても30分もあれば着いてしまう。

 でもとりあえず店の写真だけでもと思い10時40分頃店を訪れた。当然誰もいない。店の外観写真を撮影して一旦店を離れブラブラと付近を彷徨った。不審者である。

 この辺り休憩出来そうな大型ショッピングセンターもないしブラついているしかない。そして11時15分くらいになったところで再度店を訪問した。

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この辺車の通りも少なく並ぶのも苦にならない

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駐車場は店前に2台しかないので車はやめた方が

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いい店構え うまそうなオーラがプンプン

 するとカップルが店先の待合の椅子に座っていた。こゆきもその横へ腰掛けた。一番だと思っていたので悔しかった。

 程なくして店のね~ちゃんが現れ「順番に案内するので人数を教えてくれ」と言ってきた。そして開店5分前になると前のカップルを店の中へ案内した。

 そうこうしている間にこゆきの後ろにもオババ2人連れや女子大生グループ6人組とかが並び始めた。早く来ておいてよかった!

 開店時間丁度くらいにこゆきも店の中へ案内された。カウンターの一番奥へどうぞというのでそれに従った。

 事前調査通り店内は小ざっぱりとしてきれいだった。マスクをしていない者は受け付けてくれないそうだ。

 カウンターに座り壁に貼られたメニューを見ると「徳島産の銘柄豚」が本日の限定品らしい。残念ながら「バークシャー」ではなかった。

 それでも気を取り直して徳島産のヒレかつを注文しようとしたがヒレかつは無いそうだ。

 どうしてもヒレかつを食べたかったので、限定品は止め定番の「特上ヒレかつ定食2,300円」を注文した。当然「瓶ビール小500円」も頼んだ。

 

 ビールは小瓶であった。小便ではない。これを500円で売りつけるとはなかなか悲しいものがある。大瓶だったら1,000円くらい取るのかなあ。

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悲しき小瓶

 とりあえずすぐ来たビールをゴキュった。続いて漬物とソース塩が入った小皿が来た。漬物つまみつつビールを呑んで料理を待った。

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ビールだけで全部食っちゃいそう

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結局ソースは使わず

 あんまりゴキュっているとすぐ瓶が空になってしまうのでペースを落とした。でもどんどん瓶の中身はなくなっていった。小さいんだから仕方ない。

 その後まずはごはんと豚汁が先に出てきた。追加でしょうべん、じゃなかった小瓶のビールを注文した。

 その10分後くらいに待望のヒレかつがやって来た。

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やっばい色してる!

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肉ヒダ慕情

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横からも失礼しま~す!

言うまでもないがどう見てもうまそ~なのである。半生である。こゆきの肉球のようにピンクなのである。人気が出るだけのことはある。

 ヒレかつは6切れあった。まだビールが残っているので3つをビールのお供とすることに決定した。

 どうやって食べようか迷ったが、ひとくち目は何もつけずに食べた。一般的な豚臭さもなくじゅわっと口の中へ拡がる肉の旨味、これはソースを付けたんじゃもったいない!塩とカラシのみで食べることにした。

 箸で塩をつまんで肉にフリフリして、その上からカラシをなすり付ける。そしてパクっと頬張る。。。至福の時だった。

 塩は控えめにしたのでとにかく肉の旨味が先立つ。当然肉質は柔らかく歯のないババアでも「うまし!」と叫んでトロケル肉片を喉の奥へジュルジュルンと流し込むだろう。

 いやな臭いなんてム~カイ。脂身の少ないヒレだがそのジューシーさは特筆ものだ。

 ヒレ歴の短いこゆきだがその旨さに参ってしまった。まさに「すゞ家」のヒレかつと肩を並べるお味だった。

 付け合わせはキャベツの千切りのみ。ゴマダレが添えられておりこれもおいしく頂いた。いたずらにキャベツとごはんはおかわり自由の店が多いが、ここは節度ある量をそれっきりで出してくれる。

 ごはんもかためで量は少なめ。シャッキリしていていい米を使ってガスで炊いているのが分かる。もしかしたら土鍋???

 豚汁は出汁がしっかり効いていて具もたくさん入っている。それでいて量は少ない。でもこれで十分だ。

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ぶたジル、昔こゆきのててはブラジルとかいってた うそつき!

 最高のものを必要最低限の量で出す。これが本当のおもてなしというものではないだろうか。飽食の現代において一石を投げかける提供の仕方だと思う。

 ビールを飲み干したらヒレかつと豚汁と漬物でごはんを掻き込んだ。あ~っっっと!いう間の幸せでした。

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激写!これが特上ヒレかつ定食だ!あ、漬物忘れてた!

 この頃には外で待っている人たちも出来始めたので、じゅうぶんぶたを堪能したこゆきは席を立った。

 

 レジへ行って女将に「ヨークシャーのぶたはいつ入るの?」と執拗に迫った。美人の女将は「その時にならないと分からないので事前に電話いただけたら、、、」と言って言葉を濁していた。

 実は後で気付いたのだが「ヨークシャー」ではなく「バークシャー」であった。美人の女将はこゆきの間違いをみじんも正さず丁寧に対応してくれた。

 総額3,630円。この程度でこの至福の時間が過ごせるなら惜しくない!混雑するのは仕方ないが、また近いうち寄らせてもらうぜ!

 一瞬男前のことが頭に浮かんだが、すぐかき消しておいた。

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