ミシュニャンガイド

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異空間!神宮小路の「えん楽」で高レベルの中華と遭遇 ドラマ「名古屋行き最終列車」の舞台

2021/4/9

 この日こゆきは動画で見た熱田神宮の最寄り駅である「神宮前駅」を目指していた。この駅から電車に乗ってどこかへ行こうというわけではない。

 この駅の構内の「麺坊かどや」が目的地である。ここで昼からうまいおでんや串カツが食べられると聞きつけたからだ。

 10時少し過ぎに神宮前に到着した。店の開店は11時である。まだかなり時間がある。そこで少し辺りを散策することにした。

 この辺りは魅惑的な店が点在するゾーンである。

 少し挙げてみると「ちかさんの手料理」「クロカル」「はっかい」「宮きしめん」、少し離れたところでは「大和田」「伊勢屋本店」「シュークレー」等がある。

 神宮前駅から大津通り沿いを北へ向かい、熱田駅で折り返して神宮前駅へ戻ってくるというコースを2回ほど繰り返した。

 この時間では沿道の店はほとんどシャッターを閉めたままだ。

 

 こうしているうちに大津通から少し線路側へ入ったところに「神宮小路」という看板を発見した。

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不審な看板を発見!通報せよ、通報せよ

 看板の向こうを覗いてみると小さな呑み屋街が拡がっていた。道幅は狭く車は通行出来ない。

 道の両側に連なって立つ建物は「いってえ、いつからあるんだ?」というくらい古い年代物だった。

 怪しい雰囲気がプンプンだった。ヘタに足を踏み入れれば店の中へ引っ張り込まれてしまうんじゃないかという恐怖心が走る。

 しかし同時にどうしても探検してみたいという欲求が高じる。そんな異質な空間であった。

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妖気です!

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強い妖気を感じます!!

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妖気じゃ~!!!きたろうケッ?

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ついでに酔う気も感じます????

 恐る恐る小路を歩いてみた。どの店も営業前のようだ。ほとんどが呑み屋らしい。

 神宮前駅側から小路に入って50メートルほど行くと右側に中華の店を発見した。店の名は「えん楽」となっている。

 「はて、どこかで見たような。。。??」そんな気がしながら店の外観を見ていると、なんと!パトライトが点灯している。

 営業中の小さな看板も出ている!現時刻10時半。なんでこんな時間からやってるんだ!

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他にも店の写真撮ったんだけどこれしか残ってなかった。。。

 いったん小路を抜けてGoogleマップでえん楽のことを調べた。マップでは営業時間は11時からとなっている。

 でも店先の案内表示は「11時半~」と出ているし、何を信じれば良いのか分からなくなってしまった。

 それにこの店はやはり以前ネットで見掛けて「いつかは行こう」リストに入っている店だということを思い出した。

 パトライトが点いているということは営業中であることは間違いない!ぜひ入ってみたい!しかし今回の目的はあくまで「麺坊かどや」である。

 どうするかヒジョ~に迷った。長考すること30秒!ついに下された決断は????

 

 考えるまでもなく神宮小路に舞い戻って来た。やはりこの小路の魅力には抗えなかった。

 意を決して「えん楽」の扉を開け「入ってイイでちゅか?」と聞いてみた。当然ウエルカムと返って来た。

 店に入ると中はとても年季が入っていた。そして店の年季に負けないくらい歳をとったおじいさんとおばあさんが出迎えてくれた。

 おばあさんはストーブの前でニカリと笑い「いらっしゃい!」と言っていた。大将はカウンターの中にいるおじいさんのようだ。二人ともとても柔和な表情をしていた。

 店内はとても狭い。カウンター席4つほどと4人掛けテーブルが4つ間隔狭く並んでいた。先客はいなかった。

 こゆきは入口を入ってすぐ左のテーブルに腰を下ろした。

 ストーブの前でグッタリ座り込んでいたおばあさんがスクッと立ち上がり水を持って来てくれた。意外と足腰はしっかりしているようだ。

 テーブルに置いてあるメニューを見るとランチメニューしか載っていない。

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み~んなライスがついてランチになってるぅ~

こゆきはおばあさんに「ビールを呑みながらつまみになるものが欲しい」と我がままを言うと「じゃあ、こっちを見ろ」と別メニューを差し出してくれた。おばあさんナイスジョブ!

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これだよ、これ!昼と夜のメニューが違う店はいやん!

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○○鍋がすご~く気になるわ~

 まず注文は「ビール大瓶650円、八宝菜700円」で様子を見ることにした。おばあさんは意外に軽い足取りでビールを運んできた。

 このおばあさんすごく愛想がいいし、話もしっかりしている。年寄りだからと遠慮はいらないようだ。

 ビールはサッポロ黒ラベル!当然ラベルが黒々としており、大瓶なのでデ~ンと存在感がある。

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中瓶なんて、らら~ら~、らららら~ら~!オオビンでい!
 近頃巷の店では中瓶ばかりに出くわしていたのでこの存在感がありがたい。盛大にゴキュった。

 カウンター内ではおじいさんが鍋を振るい始めた。15分ほどで八宝菜がやって来た。

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見掛けだけで料理を判断するのは危うい

八宝菜は通常見慣れているものとは少し違っていた。何というか、やさしい色をしていた。

 淡い色といった方がいいかも知れない。いつも街中華で食べるギトッた色とは別だった。

 量は少なめ。小食のこゆきにはありがたい。少しづついろんなものを食べたいからね。

 口に入れてみるとやはり淡くて優しい味わいだった。物足りないわけではない。噛んでいると奥の方から滋味がじわじわ出てくる感じ。

 これならくどくて嫌になることはない。もう一品いけそうだ。中に入っている豚肉は厚切りで適度に付いている脂身がうまい。

 調子に乗っておばあさんに「鶏肉のからあげ700円」を追加注文した。早い時間なので鶏肉は冷凍のままのようだ。おばあさんが手早くチンして解凍しおじいさんに渡していた。

 それから10分ほどでからあげがやって来た。こんがりキツネ色でカリッと仕上がっているようだ。

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薄味で~頼んで正解

噛んでみると表面は予想通りパリッとしていてうまかった。中はジューシーとは言えなかったが解凍仕立てなので仕方ないことかなあ。。

 これまた味付けは色とは違いこゆき好みの薄塩味だった。この店なに食ってもうまい!

 更にビールをおかわりして、最後に「ちゃんぽん700円」で締めることにした。出て来たちゃんぽんはこれまたやさしい風貌をしていた。香りも油ぎってない。

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ギトギト好きには物足りないかも。。

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今回はチャンポンにしたが、次はえん楽ラーメンで乾杯しよう

他の店だと具材をしっかり炒めているところが多いが、この店のは炒め少々煮込みで仕上げました!って感じだった。

 野菜をつまんでみると食感はシャッキリ感が残っていて悪くない。味付けはあっさり系。八宝菜と同じように後から滋味が出てくるタイプ。

 「こりゃうめえ!」と飛びつくほどではないが、他の店よりレベルが高いのは明らかだった。ズリュリュ~っと5分ほどで食べ切った。

 うまがった~~~!!ぜひまた来たいと思わせる料理たちだった。

 総額3400円。後悔はない!あるのは感謝の気持ちのみ!!!

 

 こゆきが食べている間来客は常連らしきおっさん一人とおばさん一人だけだった。

 おっさんは酢豚定食と生ビールを注文していた。今度来たらこゆきも酢豚食べようと密かに誓うのであった。

 おばさんは料理を注文するでもなくおばあさんと話し込んでいた。どうか次来た時もこの程度ののどかな店内である事を望みたい。

 静かにじっくり料理をたんのう出来る環境であってもらいたいものだ。贅沢かな。。

 とにかくおじいさんとおばあさんの対応は果てしなく優しく、料理はおいしく、開店時間は早く、ディープでカオスなエリアにあるこの店にこゆきはイチコロされてしまったことだけは報告しておく。

 来週あたりまたこの辺りをうろつくねこがいることは確実となった。

 おじいさん、おばあさんいつまでも元気でみんなをほっこりさせて下さい。

 

 最後になったがこの「えん楽」はドラマ「名古屋行き最終列車」で登場した店のようだ。

 こゆきはこのドラマをあまり見たことがないので詳しくは知らないが、なんでも大杉漣さんがここの大将役を務めたそうだ。店内にもその時の様子の記事が掲示されている。

 興味ある人はピットイン!

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