ミシュニャンガイド

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ミシュニャンガイド うどん⑮ 味噌煮込みうどん天ぷら入り 暑くても熱々の味噌煮込みはうまい!

 何年か前になるが食べログで評価の高いうどん屋に行ったことがある。あまり行くことがない方角に店は有り、写真で見た感じもサビれた感じで繁盛しているとは思えない店構えであった。閉店時間にはかなり余裕があり、営業時間ギリギリとかそういった状況ではなかった。にもかかわらず店に入るとなぜか大将は店じまいを始めていた。客が来ないので早めに店じまいするつもりかなと思いつつも、大将に声を掛けると「まだ大丈夫」とのことだったので、味噌煮込みうどんを注文した。この時同行したのは当時新入社員でまだチンポの先から青竹の臭いが漂ってきそうな男前であった。この頃男前とはしょっちゅうメシを一緒に食べ歩いていた。その頃男前には彼女がいなかった。今は知らん!男前は風俗が大好物であった。いろいろ風俗雑誌を眺めては狙いを定めて店を開拓しているようだった。風俗嬢の極上のテクを味わうのを至上の喜びとしていた。食い意地もかなり張っているようで、あちこちで飲み食い散らかしているらしい。そんな折に訪れたのがこの店だった。

 一旦火を落としていたようで、うどんが出来上がるまで結構時間が掛かった覚えがある。出てきたうどんを二人でススってみたが、どこにでもあるようなフツーの味噌味のうどんって感じだった。具材のかしわはなんだか生煮えのようで、少々気持ち悪かった記憶が残っている。店を出た後男前と感想を述べ合ったが、お互いどうしてここが食べログで評価高いのだろう?再訪はない!ということで意見が一致した。まあ食べログの点数なんてやらせ部分がかなりあるので、もともと当てにはしていないつもりだ。ただ新規開拓する場合の参考にはなるから覗いているだけである。

 あれから数年男前は幼虫からさなぎへ、そして今では立派な毒蛾へと成長した。風俗へは未だ通っているのかは不明である。女を食い散らかしているといううわさも聞かない。多分陰に隠れて性欲を満たす術を心得たのであろう。会う機会も話す機会も現在ではほぼない。男前と数年前に訪問したこの店をたまたま食べログで見掛けた。相変わらず評価が高い。なんでだろう?関係者で口コミを語らい評価を吊り上げているのだろうか?これはミシュニャン調査員としては再度徹底取材しなければならないと思い至った次第である。その店の名は「善之屋」という。常滑と言うつねにヌメヌメヌルヌルしてスケベそうな名前の町にある。最近この町はやたらと大型ショッピング施設が立てられ、今1番熱い、注目のスポットとなっている!と地元民は自慢しているようだ。

 開店時間は10時半とネットに載っているので、11時少し前に狙いを定めて店に到着した。ところがまだ暖簾が出ていない。店の扉は開き放たれ、店内にはゴソゴソ動く人影が見えた。まだ開店準備中のようだった。例によってその辺りをぐるりと1周してきて11時に再度店に到着した。暖簾が掛かっているのを確かめ店内に入って行った。

 以前訪問時に居た大将は前回よりも更に年を重ねて随分年寄りに見えた。1人で切り盛りしているのは分かっていたが、こんな年取って十分な賄いが出来るのだろうか?ふと疑問がよぎる。大将に「きしめんありますか?」と聞くと「ない」とのことだった。壁に貼られた色紙のメニューにはきしめんの欄もあるが大きくバツ印が打ってあった。きしめんを1押し狙いでいったが的が外れた。仕方ないので2押しの「味噌煮込みうどん、てんぷらとかしわ入り」で注文した。大将は自分できしめんはないと言っておきながら、何度も「それでいいのか?」と尋ねてきた。無いならしょうがないじゃん。「いいですよ」と答えると、大将は早速調理に掛かったようだ。

 入り口の扉付近には「調理には時間が掛かります。時間の無い方には不向きな店です」と但し書きが貼られていた。ゆっくり待ちながら大将に「開店時間は11時ですか?」と質問すると「10時半です」とのこと。じゃなんで暖簾出てなかったの?って言いたくなっちゃった。あんまり波風立てると今後来づらくなるので質問は切り上げた。しばらくすると大将が「えーと、味噌煮込みのてんぷらと卵入りだったよね?」と聞いてきたので「卵ではなくかしわ」と返すと、非常に申し訳なさそうに「かしわ入れるの忘れた」「今から入れると生煮えになっちゃう」と言い出した。こゆきは「では、かしわなしでいいですよ」と答えた。大将は何度も独り言のように「すみません」を繰り返していた。とここでふと思い出したが、数年前この店を訪れた際出された味噌煮込みのかしわも生煮えであったが、もしかしてその時も忘れてて慌てて後入れしたの?その時からアルツハイマーが始まっていたの?ということ。ま、今回は前もって思い出してくれたから良しとしよう。

 20分ほどでうどんが出てきた。

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味噌煮込みうどん天ぷら入り

 

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うどんアップ

ドロドログツグツ非常に濃厚そうである。土鍋は年季が入っており幾人もの客がこの鍋に箸を突っ込んで舌つづみを打ったことを想起させる代物であった。漫画の美味しんぼで、すっぽん料理屋の土鍋に長年の味がしみ込んで水だけ入れてもいい出汁が出てくる場面があるが、それを思い出させるほど景色のいい鍋である。味あうのが楽しみ!

 鍋の中身を見てみると具材は、揚げパンみたいに見える油揚げ、かまぼこ、ネギ、それに追加の海老天。海老天はすっかり汁に漬かってしまっており、食感を楽しむことは出来そうにない。こゆきは出来れば揚げ物は別皿で出してほしいタイプ。自分の好きなタイミングで汁につけてかじったり、ドップリつけこんで衣がホロホロなってきたとこでかぶりつきたい方なんです。まあ諦めましょう。しかし汁の多いこと。フチからこぼれそうだ。後でごはん追加して雑炊決定だな!

 麺を小皿にとり汁を適量掛けて早速口の中へ。ズル―ズル―、クッチャクッチャ、ズ~ビチャビチャ、ゴクリッ。う~ん汁が濃厚で味噌がうまい!素朴な味だがここまで味噌が立っている汁は中々ないように思う。以前紹介した今はなき老夫婦がやっていた店の味噌煮込みうどんを彷彿とさせる。決して華やかではないが着飾らない田舎の紳士と言った風情である。麺は細目で味噌煮込み特有のバリ固麺とは違い、少々緩めだが決してヤワイと言うわけではない。適度に弾力があり、縮れ具合からして一生懸命手打ちしましたって感じの麺。大将の頑なな職人気質を感じる。海老天はドロドロに衣が溶けてエビ自体も特筆すべきところはなかった。こゆきは海老天の尻尾まで食べる派なんだけど、その尻尾のカラがやたらと噛み切れない。いつまでも歯にまとわりつく。少しゲテな表現するならゴキちゃんのハネ噛んでるみたい。そんなこと考えながら麺は終了となった。

 予想通り汁が大量に余っているのでごはんを追加注文した。そのご飯を汁の中へブッコミ!

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雑炊づくり

ここへ生卵なんか入れたらうまいかも知んないが、すでに汁は冷めており今更生卵入れても固まらないし、生卵入れると汁が薄くなるからね。麺類に生卵は合わないというのがこゆきの持論。ゆで卵かセイゼイ火の通った溶き卵なら許せるけどね。後は雑炊を米粒一つ残さずすすり上げて完了となった。うまかったよ!おやじ!特になべ底に味噌がコゲた部分があって香ばしくていいアクセントになってた。狙ってやったんじゃないとは思うけど、思わぬおいしいサプライズであった。

 天ぷら追加でしめて1,200円。金を払いながら大将にうまかったよ、また来るね、と言うと「かしわ忘れちゃってすみません」とまた繰り返していた。実は汁の中に何故か1辺だけかしわが入っていたのだが、あれはなんだったのか?大将のアルツがこれ以上進行しないことを祈りつつ店を後にした。10時半から営業と言う貴重な情報も入ったし、再訪決定だな。

 最近1人飯が続いておりかなり精神的に参ってます。ママたち誘って楽しくにぎやかに食事会開こうかな。本ママとも何とか仲直りしたい!こゆきはママさんたちいないとダメなんです