ミシュニャンガイド

みんなの為ではなく自分の為のグルメガイドブック

ミシュニャンガイド 第9回朝呑み会 瀬戸市「田代」 愛知県のうなぎ屋ランキングトップレベルの店

2020/1/16

 食べログで「愛知県 うなぎ」で検索すると1位に表示されるのが「うな富士」です。

 うな富士はうなぎ以外にも酒の肴になるようなものが豊富で、何を頼もうか迷ってしまいます。これらの肴がうまいんです。うなぎだって確かにうまい!うなぎを中心とした日本料理店のような存在と言えます。

 そして2位に来るのが今回ご紹介する瀬戸市にある「田代」です。うな富士に匹敵するほどの人気店であり、すさまじい混雑ぶりとのことです。初訪問なのでと~っても楽しみです。

 

 名古屋栄から瀬戸市までを結ぶ名鉄瀬戸線、通称「瀬戸電」という。今回田代を訪れるため初めて乗りました。運賃は栄から終点尾張瀬戸までで460円。所要時間はおよそ35分。家から起算すると2時間近くかかる。

 車なら1時間くらいなんだけどね~。でもうまいうなぎ食べるのに酒呑まないバカいないっしょ!ただこれだけのために高い交通費と貴重な時間を費やして訪問したわけである。

 んで、11時前に尾張瀬戸駅に到着した。

店はここから歩いて15分ほどのところにある。ブラブラ川沿いの道を歩いて行った。

 噂によると田代は朝9時半頃に行っても既に先約が何組か入っているとのこと。気は焦るが、もしだめならそれはそれで仕方ないと開き直りゆっくり散策していった。

 10分もしないうちに大きな鳥居にぶつかる。これが深川神社の鳥居らしい。何でもかなり由緒ある神社とのこと。

 この深川神社の門前町に田代はある。参道の両脇にバラック建ての長屋が並んでいる。

何店かの食べ物屋があるが活気は感じられない。田代のすぐそばまで来て店頭をうかがった。待ち客無し!よーし突撃じゃ~!!!

 外から窓越しに店の中を見ると、窓の側に焼き場があり大将が一生懸命うなぎを焼いている。少々声を掛けづらかったが今更引っ込みはつかない。勇気を出して声を掛けてみた。

「あんの~、食べたいんでちゅが?」

「何人?今の予約だと12時ころになるよ」

「1匹でちゅ。12時でもいいでちゅ」

「名前は?じゃあ12時ころ来てね」

「こゆきでちゅ。12時ころきまちゅ」

これで予約完了である。この時11時であった。

 内心「やった~!これで食べられる!」とルンルンであった。さてどこで時間をつぶすかな?近くに寂れた商店街があったのでのんびり歩いて行った。するとどう見ても居酒屋としか思えない魅力的な店を発見した。それが前回ご紹介した「駄々屋」である。

 駄々屋で飲み食いして頃合いを見計らって田代へ向かった。再び窓越しで大将に、こゆき様ご到着を告げた。大将は「ちょっと待ってね、何にする?」と言うので「うな丼上」を頼んだ。それから外のベンチへ腰掛けてジッと時を待つ。10分ほどで入店案内があったので暖簾をくぐった。

 狭い店内は客で一杯だ。唯一空いていたカウンターへ案内された。これはのんびり食べている雰囲気ではなさそうだ。おばさんにすかさずビールを注文した。速攻でビールとキュウリのキューちゃんみたいな漬物が出てきた。ビールをゴキュってウナちゃんの登場に備えた。

 15分ほどでうなちゃんがやって来たが、その間も正に千客万来、電話は鳴りっぱなし、カオスである。電話予約は受けていないようで、予約電話にはおばさんがイラつきながら対応していた。聞いている客からしたらあまり気分は良くない。

 でも毎日この有様では仕方ないのかも知れないと同情の念も沸き起こってくる。客も客だし、このような状況を作り出しているのは店側の責任でもある。何かいい解決策がないものかと名探偵こゆきも頭をひねった。

 ま、そんなことはどうでもいい。うなぎだ、うなぎ!まずは写真を見てもらおう。

うなぎが巨大である。3枚乗っている。まず1枚目をビールの肴にした。

 この店のウナギは蒸してから焼くのではなく、生から直火で焼いていたので少し硬いかなと予想していたが、噛んでみるとふっくらしていた。タレは濃厚で酒にもご飯にもバツグンに合う。焼きはしっかり入っているので香ばしい。

 ただ正直なところうなぎ通でもないこゆきには、他の店との違いがよくわからない。うなぎなんだからうまいのが当たり前。爆発的に客が集まってくる理由が見出せなかった。

 これを通と称するヤローが読めば「トーシローめ!ケッ!」とか批判するんだろう。でも食べてみた実感として感じたことをそのまま正直に記事にしている。

 メニューはうな丼と長焼き以外はない。頼まれれば肝焼きなんかもやるようだが、忙しい時は受けていないようだ。

 うな丼と一緒に出てきたお吸い物は永谷園の松茸のお吸い物の臭いがプンプンした。これなら味噌汁でも出してくれた方がいいな。

 ゆっくり味わっている雰囲気でもないので、ササっと食べてササっと店を出るゴキブリ方式を実行した。滞在時間およそ30分。2時間かけてやって来て、1時間待って、メインイベントは30分で終わった。すこしかなしいね。

 代金はうな丼4,200円、ビール大瓶600円で合計4,800円。お会計の時だけおばさんは笑顔だった。再度訪れたいと思う時が来るのだろうか。思案に明け暮れつつ店を後にするこゆきであった。おわり。。。