ミシュニャンガイド

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ミシュニャンガイド 洋食⑤ オムハヤシ 朝からガッツリ食事の出来る店の紹介

 一般的にカフェは早朝から営業している。早朝からモーニングセット目当てでカフェを訪れる人も多いと思う。

 特にこの愛知県と言われる地域ではお得なモーニングを出す店が多いと評判である。テレビなどでもよく紹介されている。

 しかしこゆきとしては興味が湧かない。軽食に毛の生えたような雑多な品々を食べたところで、満足感を得られるとは到底思えない。味もそれなりのものであろう。店側としてはいかに多種多様で作り置き可能な食物で客を釣り上げるかを目論んでいることは明白である。だからモーニングを目当てでカフェを訪れることはない。

 しかし店によっては朝から一般的な食事メニューを提供するところもある。朝の早い(早すぎる)こゆきにとっては都合がいいので一度は顔を出してみるのも悪くないと考えていた。

 名古屋市緑区の市民病院の近くに「なるみ」という評判の良いカフェがある。なんでもハンバーグが美味しいとか。かなり前になるが1度訪れたことがあり、その時は定食を食べたとしか覚えていないが良い印象だけは残っている。そこへ行ってみることにした。

 果たして朝から食事メニューが提供されているのかは不明であるが、一か八か当たって砕けてみた。

 10時前に店に到着し、店内に入った。駐車場はほぼ満車、店内も8割方埋まっていた。ほとんど老人である。滞在している間次から次へと老人たちが現れる。まるでゾンビの群れのようだった。「ゾンビカフェ」と名前を変えた方がいいかも!

 空いている席に座り、おしぼりと水を持ってきたネ~ちゃんに「ハンバーグとか食事は出来る?」と尋ねると「出来ません」とのことだった。やはりだめか。このまま帰ってしまいたかったが、悪いのでモーニングセットをアイスコーヒーで頼んだ。

 ホントのところこゆきはコーヒーを飲む習慣がないので困惑してしまった。苦し紛れと言っていい。ネ~ちゃんは非常に忙しそうであった。別に美人でもないし、どちらかというと愛想もないので気を使う必要はないのだか、余計な手間を取らせないためにコーヒーを注文した。だってコーヒーなら無難でしょ。

 モーニングの構成は

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アイスコーヒーモーニングセット

こんな感じ。こゆきにとってはうれしくも楽しくもない。この後どうするかな?ってことの方が気にかかる。

 コーヒーをジュルジュル、パンをモサモサ、たまごを一飲み、雑草をギュギュっと噛んでおしまい。380円だそうだ。これお得なのか?何かいいことあるのか?不思議でたまらない。

 店を出たらどうしよう。このままではミシュニャンにはならない。話のタネにならない。思案に暮れた。そこで思いついたのがこのカフェのすぐ近くにある「カフェ&キッチンタツミ」という店。こちらも評判は良いようだ。朝からメシ食わせてくれるのか不明だがやけくそである。そちらへ移動。

 店内にはこれまた老人たちが4人ほどたむろっていた。注文取りのオバはんに「メシ食える?」と尋ねると、困ったような顔をして「こっちのメニューなら出来る」とカレーとかオムライスを指さした。こゆきはミックスフライ定食が食べたかったが妥協することにした。「ではオムハヤシを」とオーダーした。

 この時こゆきはさっき食べたモーニングも計算に入れ、十分食べ切れる勝算があった。おそらくコン位の量の奴が出てくんだろなあーと勝手に想像していた。余裕で完食出来ると思い上がっていた。そして出てきたのかこれだった。

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オムハヤシ

見た瞬間「ヤベーことになった。大変なミスを犯してしまった。このまま帰ってしまおうか」と逃げ出したくなるほどの量だった。再度アップ!

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牙を剥くオムハヤシの画像

分かりにくいと思うが、ご飯の量だけで軽く2杯分はある。タマゴもハヤシもパンパンである。

 逃げ場はねえ!食べ切るしか生きて帰る道はねえ!決死の覚悟で捕食開始。これでウマけりゃ何とかなるんだけど、こういう時に限って不味い!

 一般的に認知されているハヤシはトマト味だと思うんだけど、ここのはトマトが入ってない。こういうのもあるんだね。それはまあいい、許す。ただ基本のフォンが感じられない。

 この店のサイトを見ると「ブイヨン(出し汁)をしっかり取っております。これが全ての料理の基本になります」とか書いてあるが、全然感じられない。

 まずい、おおい、たべる。まずい、おおい、たべる。を繰り返していると全身から汗が噴き出してくる。今日はとりわけ暑いので尚更だ。

 あともう1山というところで限界を感じ、残して帰ろうかと思ったが、ミシュニャンという罪深い十字架を背負って生きているこゆきにはそれが出来なかった。

 苦しい修行であった、耐えがたき苦痛であった、忍び難きを忍び全てを平らげた。見かねたオバはんは水を継ぎ足してくれた。てゆ~かオバはんズット見てたの?

 こんな店ではあるが食べログの評価は高い。だから食べ〇〇は信用出来ない、と付け足しておこう。

 食べている間老人夫婦が新たなゾンビのように現れ、タバコをぷかぷか吹かしていた。この店もゾンビ屋敷なんだろう。「ゾンビカフェ2号」と呼ばせていただくとしよう。

 市民病院が近くにある場所柄ゾンビ老人が多いのかも知れない。高齢化が進む日本の現実を目の当たりに直面しているのかも

 代金は950円。カフェはしごで大金を使い、苦難を味わってしまうとは本日も悪い日になりそうだ。しばらくカフェでメシ食うのは止めておこうと誓うこゆきであった。おしまい。